
ポリエステルガットの特徴としてネットで調べたところ次のことが言われています。
これらは、従来の素材からなるガットと比較して言われています。そこで今回、上記特徴の中からガットの伸び(伸びにくさ)に起因するものを検証するために、ポリエステルガットのテンションに対する伸びについて、マルチフィラメントとの比較実験を行いました。
- 磨耗に強く切れにくい(これまで頻繁にガットを切っていたハードヒッターに好まれる)
- 硬い(最近では打球感の軟らかいものも出ている)
- 緩みやすい、テンションが落ちやすい
これらは、従来の素材からなるガットと比較して言われています。そこで今回、上記特徴の中からガットの伸び(伸びにくさ)に起因するものを検証するために、ポリエステルガットのテンションに対する伸びについて、マルチフィラメントとの比較実験を行いました。
1)試験方法
荷重・変位試験機があればより正確なデータがとれるのですが、あいにくそのような試験機は所有していませんので、手近なものを応用して試験をおこないます。今回はコンピューター式ストリングマシンを使います。コンピュータ式を用いることで、指定テンションで一定したテンションを掛けることができるというメリットがあります。写真のようにテストピースであるガット(長さ30cm程度)に一定の間隔にマーキングを施しておきます。

初期状態、マシンで引っ張っている状態、テンションをリリースして無負荷の状態、それぞれのマーキングの距離を計測します。
2)テストサンプル
ポリエステル:ルキシロン ゾロ 1.15mm
マルチフィラメント:スピンジャパン チャンピオンエクセレント 1.3mm

3)試験条件
テンション:50ポンド、60ポンド
プレストレッチ:なし
テンションスピード:最大
テンションは一般的に張る機会の多いであろう50ポンドと60ポンドの2点で試験をおこなう。ヒステリシスを考慮してコンピューター式ストリングマシンのプレストレッチ機能はオフとする。テンションスピードはマシンの設定できる最大とした。但し目に見えるほどのスピードなので、速度による影響は無いと考える。
4)試験結果
テンションをかけた状態でガットが伸びた寸法と初期の寸法の比を取った値を用いる。

結果からわかるように、2つのテストピースにおけるテンションと伸び率は60ポンドという常用のテンションにおいては線形の関係を保っている。またテンションをリリースした状態での長さを測定したところ、ほぼ初期の寸法に戻っていることも分かった。同じテンションで張った場合、ポリエステルの伸びはマルチフィラメントの半分以下であることが言える。
5)考察
5-1)ポリエステルは硬い?
今回用いたポリエステルガットは断面積が1.1mmのの非常に細いタイプのもので、ポリエステルの中でも打球感が軟らかいとうたわれている。一方マルチフィラメントは断面積1.3mmということで太いタイプに属し比較的伸びにくいものである。この2者を比較しても伸び率に関しては倍近くの差があり、打球感の差としては顕著に現れてくるだろう。もしモノフィラメントの太いゲージのものを試験すればこの2つの直線の真ん中を埋めることが出きるかもしれない。機会があれば試してみたいところだ。
5-2)ポリエステルは緩みやすい?
一方緩みやすいといわれる点についてだが、張りあがり直後にテンションを落とす要因として考えられるのが、ノット(結び目)での微小な緩みやズレ、そしてガットが接触しているガット同士やフレームでのストレスの緩和によるズレがある。ガットの微小なズレが起こることで、伸び率に対してテンションへの感度のより高いポリエステルが特に緩みやすい=テンションが落ちやすいと言われる所以であろう。またストリンガーは張りあがり後の初期の緩みが最小になるようストリンギングするのだが、ポリエステルを張るときには特に気を使う必要があるといえる。
6)今後の課題
モノフィラメントについても同様の試験を行う。
ポリエステルガットの賞味期限が短い=打球感の変化するまでの時間が短いといわれるようだ。そこでストリングにテンションが掛かった状態での経時変化についても試験を行う。
試験結果が出ましたらこのBlogで紹介したいと思います。
荷重・変位試験機があればより正確なデータがとれるのですが、あいにくそのような試験機は所有していませんので、手近なものを応用して試験をおこないます。今回はコンピューター式ストリングマシンを使います。コンピュータ式を用いることで、指定テンションで一定したテンションを掛けることができるというメリットがあります。写真のようにテストピースであるガット(長さ30cm程度)に一定の間隔にマーキングを施しておきます。

初期状態、マシンで引っ張っている状態、テンションをリリースして無負荷の状態、それぞれのマーキングの距離を計測します。
2)テストサンプル
ポリエステル:ルキシロン ゾロ 1.15mm
マルチフィラメント:スピンジャパン チャンピオンエクセレント 1.3mm

3)試験条件
テンション:50ポンド、60ポンド
プレストレッチ:なし
テンションスピード:最大
テンションは一般的に張る機会の多いであろう50ポンドと60ポンドの2点で試験をおこなう。ヒステリシスを考慮してコンピューター式ストリングマシンのプレストレッチ機能はオフとする。テンションスピードはマシンの設定できる最大とした。但し目に見えるほどのスピードなので、速度による影響は無いと考える。
4)試験結果
テンションをかけた状態でガットが伸びた寸法と初期の寸法の比を取った値を用いる。

結果からわかるように、2つのテストピースにおけるテンションと伸び率は60ポンドという常用のテンションにおいては線形の関係を保っている。またテンションをリリースした状態での長さを測定したところ、ほぼ初期の寸法に戻っていることも分かった。同じテンションで張った場合、ポリエステルの伸びはマルチフィラメントの半分以下であることが言える。
5)考察
5-1)ポリエステルは硬い?
今回用いたポリエステルガットは断面積が1.1mmのの非常に細いタイプのもので、ポリエステルの中でも打球感が軟らかいとうたわれている。一方マルチフィラメントは断面積1.3mmということで太いタイプに属し比較的伸びにくいものである。この2者を比較しても伸び率に関しては倍近くの差があり、打球感の差としては顕著に現れてくるだろう。もしモノフィラメントの太いゲージのものを試験すればこの2つの直線の真ん中を埋めることが出きるかもしれない。機会があれば試してみたいところだ。
5-2)ポリエステルは緩みやすい?
一方緩みやすいといわれる点についてだが、張りあがり直後にテンションを落とす要因として考えられるのが、ノット(結び目)での微小な緩みやズレ、そしてガットが接触しているガット同士やフレームでのストレスの緩和によるズレがある。ガットの微小なズレが起こることで、伸び率に対してテンションへの感度のより高いポリエステルが特に緩みやすい=テンションが落ちやすいと言われる所以であろう。またストリンガーは張りあがり後の初期の緩みが最小になるようストリンギングするのだが、ポリエステルを張るときには特に気を使う必要があるといえる。
6)今後の課題
モノフィラメントについても同様の試験を行う。
ポリエステルガットの賞味期限が短い=打球感の変化するまでの時間が短いといわれるようだ。そこでストリングにテンションが掛かった状態での経時変化についても試験を行う。
試験結果が出ましたらこのBlogで紹介したいと思います。
この記事へのコメント
こんばんは!
こちらの拙いブログにコメント頂き有難う御座いました。
ストリングに関しての考察、興味深く拝見させて頂きました。
ここまでポリが増えるとは正直予想外でした。果たして、本当に一般ユーザーにポリの特性がマッチするのか?
自分としては疑問に感じる所です。
ポリ全盛の背景に、売る為、利益を上げる為、というメーカーの意図を感じます。素材としてのポリエステルストリングの単価はかなり安いそうです。
まぁ、側糸も芯糸もないので当然でしょう。たまたまプロの選手に好評(当然、特殊な使用環境です)だった事から、プロモーションもあって一気に広まりました。
ですが、最近では「柔らかいポリ」なるものが売れ筋です。
打球感が柔らかい、のならポリでなくてもいいのでは?
このあたりに、メーカーの利益重視が見え隠れします。
そのうち、ナチュラル感覚、を謳うポリが出るかもしれませんね。
こちらの拙いブログにコメント頂き有難う御座いました。
ストリングに関しての考察、興味深く拝見させて頂きました。
ここまでポリが増えるとは正直予想外でした。果たして、本当に一般ユーザーにポリの特性がマッチするのか?
自分としては疑問に感じる所です。
ポリ全盛の背景に、売る為、利益を上げる為、というメーカーの意図を感じます。素材としてのポリエステルストリングの単価はかなり安いそうです。
まぁ、側糸も芯糸もないので当然でしょう。たまたまプロの選手に好評(当然、特殊な使用環境です)だった事から、プロモーションもあって一気に広まりました。
ですが、最近では「柔らかいポリ」なるものが売れ筋です。
打球感が柔らかい、のならポリでなくてもいいのでは?
このあたりに、メーカーの利益重視が見え隠れします。
そのうち、ナチュラル感覚、を謳うポリが出るかもしれませんね。
使用するにつれてガットは縦と横の交点で磨耗して、極度に摩擦が大きくなります。指でずらそうとしてもぎちぎちとした感じになり、打球感も硬く、スピン性能も落ちたように感じます。ポリエステルではこのような磨耗が少なく、打球感がある程度長時間にわたり持続する、これもポリエステルの良さだと考えます。http://home.att.ne.jp/blue/bike/14.pdfこれはある先生の研究の論文ですが、ここにもポリエステルの特性について少しですが紹介されています。
今後とも当Blogをよろしくお願いします
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