九十九里から、テニス上達必達法を発信中。テニスの基本は足もとから、フットワークを見直せばボディーワークも同時に改善。素晴らしく上達するレッスンを体験してみませんか。

まだお子さんが小さい時、テニスをするときはどうされていますか?子供がある程度の年齢に達していれば、一緒にプレーしたりまたは一人で遊ばせて置けるのですが、小さいうちはそうはいきません。
うちも子供が小さい時、ストレス発散でよく旅行に行ってました。夫婦そろってテニス好きなので、旅行先にはテニスコートが近くにあるところを第一優先として選でました。子供が赤ん坊のうちは、ベビーカーに寝かせて大人しくしているあいだに二人でテニスをして、泣けば駆け寄り抱っこしてなだめてを繰り返してなんとかテニスをしたものです。ハイハイできる頃には昼寝した隙になんとか二人でテニスをしたものです。でもこんなことが出来るのも気候の良い時期に限られます。冬の寒い時期にテニスコートに連れて行って、風邪を引かせてしまったこともありました。旅行から帰ってきて子供は発熱するやら、嘔吐するやらで本当に可哀想なことをしたと反省したものです。その時テニスコートのそばに暖かいクラブハウスがあれば安心してテニスが出来るのにと思ったことです。リゾート地のテニスコートは大抵の場合広々とした敷地に点在するようにテニスコートが配置されて、非常に見通しが良い反面、風をよけるものが何も無く、ただじっと待っているときには冬場は寒くて辛いものです。最近では経費節減のためかクラブハウスの暖房をつけていないところも少なくは有りません。テニスをして身体を動かしていれば少々寒くても平気でしょうが、普通に居るには寒いものです。
 授乳期の子供を連れての場合は、ミルクを飲ませる場所にも神経を使うものです。コートサイドでおっぱいをあげるには寒々しくそして人の目が気になるものです。こんな時にクラブハウスを気兼ねなく利用できたらいいなと思うこともあるでしょう。
 夏場の暑さも同様、熱中症や日焼けが心配です。特に小さいお子さんの肌はデリケートですから極力直射日光から避けたいものです。

赤ちゃんと、そのお母さん、そして家族みんなに優しいテニスクラブを創る

コートすぐそばのクラブハウスでは、お子さんが安心して過ごせるよう、冷暖房完備はもちろん、温かい飲み物や冷たい飲み物を準備してお待ちしています。また、お子さんのお気に入りのDVDが鑑賞できるよう、TVとDVDプレイヤーは無料でお使いいただけます。更衣室は授乳やオムツ替えのスペースとしても利用いただけます。またミルクを作るのに必要なお湯は無料で提供いたします。コート予約時に言って頂ければ、ミルクに適当な温度である約50℃のお湯をあらかじめ準備しておくことも出来ます。授乳のためにお母さんがコートを離れたときにお父さんが独りぼっちにならないようスタッフがヒッティングパートナーも務めます。他にもこんなサービスがあれば嬉しい、こんなグッズが有れば便利というのがあれば遠慮なく送信フォームに書いて送ってください。
テニスファンの皆さんと一緒になって理想のテニスクラブを創って行きたいと思っております。
前回の写真では足場が組んであったりしてよく見えなかったと思うので、今回は天気の良い日で足場を撤去した後の外観を披露します



こちらが正面入り口になります。写真右手コート側がテニスコートです。サイド側のフェンスはわざと低くしてコートの外からの観戦でもたいへん見やすくなっています。クラブハウスからもコート内は見やすく、コーヒーやケーキを愉しみながらプレーを観戦することが出来ます。コートサイド席(?)ですから迫力満点です。

毎年、各メーカからたくさんの新モデルが発表されます。毎回気になるラケットが何本か出てくるのですが、実際に購入を検討する場合はどのように選んでいますか?ショップでフレームだけの状態を手にとってもデザインと形が分かる程度。狭い店内で素振りでもしようものなら、あちこちにぶつけてしまいます。試打ラケットを貸し出したり、試打スペースを設けている一部のショップは良心的ではあるが、往々にして。試打ラケットで張ってあるガットのテンションは軟らかすぎて、自分のフィーリングに合わずにラケットの評価が十分に出来ないのが常である。たまたま目当てのラケットを友人が持っていれば借りて試すことが出来るのですが、滅多にありません。
競技者向け、アスリート向けの試打用ラケットを何本か用意し、ある決まった時間帯は試打のためにコートを開放したいと考えています。最初からたくさんのラケットを準備することは無理ですが、徐々に増やせればと思っています。お客さんには試打会の参加費をほんのちょっと頂いて、それを出来るだけ試打ラケットを揃えたりガットを適正な状態に保つための費用に当てたいと考えています。また気に入ったラケットを当クラブで買ってもらえれば参加費分はお返ししたいとも考えています。まだまだ計画段階ですが、できるだけ利用者のメリットになるようなサービスを一つ一つ考えて行きたいと思います。
小雨の降る中、内装の工事が着々と進んでいます。



外回りはほぼ完成です。
スマッシュ上達のコツとして動体視力を鍛えれば良いと提案している記事を個人のBLOGで見かけました。なるほどなと思うと同時に、それで十分なの?と疑問を抱きました。
今回は、動体視力とは一体どういったメカニズムか考えてみます。まずは3次元空間の認識方法について、物体の遠近感を認識するのには次の方法があると言われています。

遠近感の認識

  • 両眼輻輳(ふくそう)
    近くの物を見るほど目が内側に寄る(輻輳角が大きくなる)。眼球の筋肉の動きから遠近を知覚するもの。遠距離の物体では遠近感を知覚できず、近距離の認識に限られる。
  • 焦点調節
    物体の焦点を調節する際、眼球の水晶体の厚みを調節しているが、この調節筋肉の動きによって遠近感を知覚する。遠距離でも近くできる。但しもともと視力が悪い場合は、うまく認識できない。
  • 運動視差 両眼視差
    物体が動くことによる両目に映る像の速度(速さと向き)の違いを知覚することで動いている物体が自分に向かってきているのか、それとも目の前を通り過ぎようとしているのかがわかる
  • 物体そのものの大きさで判断
    記憶している物体の大きさを頼りに、見えている物体の大きさからその距離を推測する
このようなメカニズムによって、人は物体の遠近感を認識していると考えられています。
これをテニスに当てはめて考えた場合、ボールが相手コートにあるときは焦点調節によってその距離を大体把握して、ボールが自分に近い時には、これが自分に向かってきているのかそれとも別の方向に向かおうとしているのかは両眼視差によって確認し、その距離については両眼輻輳によって認識していると考えられます。しかしプレー中のボールの動きは大変速いため、ボールの距離を正確にかつ瞬時に捉えるのは大変難しいことです。動体視力を鍛えればスマッシュが上手になるいう意見に対しては、どんなに鍛えたとしても、鍛えられたとしても真正面めがけてくるボールの距離感を数センチの誤差も無く認識するのは至難だと思われます。ボールの距離感は視覚によってのみ捕らえているのではなく相手の打ったボールの速度を相手のスイングスピードや過去の経験から、おそらくこのくらいの到達時間だろうと予測しているのでは無いだろうか。予想した速度に対して実際の速度が遅い時に、振り急いでしまったり、反対に想像以上に速くボールが手元にきてあわててしまった経験は誰しもあることでしょう。実際にトッププロの試合でも明らかなチャンスボールをネットミスするケースがあるが、これも予想していたボール速度から実際が大きく異なったために、距離感を見誤った結果だとも考えられます。またナイターでもボールが意外と速く感じたり、スマッシュやサーブの距離感が昼間と全く違って感じることがあることでしょう。これは夜間ボールの見え方が昼間と違うために生じます。人の目には明るい時に活躍する視神経と、暗い時の神経が異なるとも言われています。一般のプレーヤーが起こすボレーミスの多くはボールの遠近を正確に捉えられずに、ラケットを振り急いでいるからとも言える。このようなミスを最小限にするには、ラケットを振らずに足であわせて行くこと。テニスの基本中の基本として耳にたこが出来るくらい聞いたことがあると思います。実は人間のメカニズム上の欠点をカバーするために基本というのは有るんだということに気付かされます。

サーブ、スマッシュの上達は

サーブのトスの位置を頭の真上に上げてしまいサーブミスをしてしまうことがあります。これまで考察してきたように視線上にあるボールの遠近感を認識するのは大変難しいものです。ここで基本を思い出してください。サーブのトスはベースラインから30cmから1mくらい中に上げるということを。実際には打点が前になることからラケットをスムースに出しにくいと感じたり、フットフォルトの恐れてベースラインから内側にトスを上げるのがためらわれがちになります。視覚の観点から考えると、ボールを斜めに見上げることは距離感(ボールの高さ)をより正確に捉える方法ともいえるのです。同様にスマッシュについてもボールを待ち構えるにあたって、ボールの落下点がプレイヤーの額の位置に入ってしまうことがあります。野球においてフライを捕るときにはこれで間違えないのですが、テニスにおいてはこれでは、距離感をつかむことが難しく、スマッシュで正確なヒッティングを困難とすることでしょう。これもボールを斜めに見上げるような位置にすばやく入ることでスマッシュを容易とすることが出来ます。スマッシュの基本で斜め上方に突き出した左手でボールを指差して構えるというのがあると思います。この教えこそまさにボールを斜めにに見上げて、距離感を正しいものとしてスマッシュを行う方法を説明していたのです。また打点を前にすることでスイングもバイオメカニクス的に考えてもより自然な動きとなり、スムースなスイングから力強いボールを打つことが可能となるのです。

たまには基本を振り返ってみるのも、テニス上達のヒントを見つけるきっかけになるかもしれません。
ストリングの寿命は3ヶ月とか、気温の変化によって変えるべきだとか、テンションダウンして反発力が許容範囲より下回ったときとか色々な言い方がされているようです。確実に言えることは、「ガットが切れた時が寿命」と「打球感が合わなくなったとき」と考えて良いのではないでしょうか。それが1ヶ月であろうと1年であろうと別に構わないと思います。切れた時が寿命なのは当然として、今回はこの打球感について考えたいと思います。

テンションダウンによるもの


プレー中のボールインパクトによってストリングは繰り返し伸縮の応力を受けることになります。内部の分子結合状態の変化もしくはマルチフィラメントガットを構成する多数のファイバーの一部が破断していくことでテンションが変化していきます。また張りあがってからの径時変化によってテンションも下がってきます。テンションの初期変化が大きいのは素材自体の初期伸びが大きいことと、張りあがり時に持っていたストリングの歪が緩和されることによっても起こりえます。







上の図はガット張りを行う間で、既に張られている縦糸の間を縫うように横糸を通して一定のテンション(赤矢印)で引っ張っているところを表してています。縦糸との摩擦や縦糸を縫うことで横糸が屈曲して進むことで青矢印の抵抗が発生します。厳密に言えばこの抵抗の分だけテンションは低下して同じ横糸の中でもテンションは平衡状態にはありません。またグロメットを通ることでも抵抗は生じます。これらテンションが不平衡な状態がストリング面に不均一に存在しこれが歪として残ることになります。この歪はプレー中のボールインパクトや径時変化によって平衡状態へと徐々に緩和していきます。このときのテンション変化が初期変化として発生します。ストリンガーはこの初期変化を出来るだけ小さくするため細心の注意を払って作業をすることになります。

使用頻度や経時によってテンションは変化していきます。初期の伸びの段階で既に打球感が悪くなったと感じればそこが張り替えの時期と考えてよいとおもいます。打球感が悪いということはそれがプレーへいくらかの影響を及ぼすことになります。打球感の変化を打ち消そうとするあまり、本来プレーヤーのもつスイングを変えてしまうかもしれません。無理なスイングを強いられ結果としてポイントを落としてしまうかもしれません。また逆にダブルスプレーヤーでゲーム中心の人では、一日のプレーで打つボールがもしかしたら100球も無いかもしれません。その場合は1年たったガットでも打球感に違和感を感じないかもしれません。その場合どこかが推奨するガット張替え期間の3ヶ月を敢えて実行する必要は無いでしょう。張りかえることで今までの打球感が変化するリスクを考えるとむしろ張り替えないほうが良いかもしれません。

またテンションが変化する中で打球感がよくなるケースも有るかと思います。おそらく初期のテンションが合っていなかったのが原因と考えられます。打球感がよくなったと感じたテンションを手がかりに最適なテンションを見つけるヒントにしてみてはいかがでしょう。

ストリング同士の摩擦によるもの


張りあがったばかりのストリングは、その交差部分の摩擦は小さく、縦糸または横糸を容易にずらすことが出来、また自然と元に戻ることでしょう。ボールインパクトの衝撃を繰り返し受けることでストリング表面に微小な傷が発生しこれがストリングの交差部分での摩擦を大きくしています。「テンションと反発力の関係」で説明したようにボールインパクト時にガットは伸びようとしますが、実際にはストリングは縦横に編まれているためにそれぞれのストリングの交差する部分での摩擦抵抗を受けることになります。赤矢印がボールインパクトによってストリングが伸びようとする力、これに対して青矢印がストリング同士の摩擦で発生する抵抗力を示しています。





張りあがったばかりのラケットも僅か数時間の使用でメインとクロスの摩擦は大きくなりボールインパクトでストリングが伸びようとする動きをこの摩擦が抵抗となって伸びを妨げようとします。最初良好と感じた打球感も、ものの数時間でずいぶんと異なったものに感じたことは有りませんか。これが例えばボールの食いつきのあるセッティングであってもその効果が発揮されるのは僅か数時間ともいえるのです。ガットの寿命を延ばすアイテムとして潤滑材がいくつかのメーカーから販売されています。これはおもにシリコンを材料とするものであり、ガット同士の摩擦を少なくするものです。ストリング同士の摩擦もこの潤滑材により幾分滑りやすくなり、初期状態までは無理としても、ストリングの移動はある程度スムーズになり、ボールインパクト時のフィーリングもまた初期に近いものになります。いちいち潤滑材を塗るのは正直面倒なものです。そこで各社から○○コーティングを施したり、表面の材質を替えることで打球感を改善しているものも多数存在しています。最近流行のポリエステルガットにおいては微小な傷が出来にくいせいか、ガット同士の摩擦力の変化が少ないようです。摩擦による打球感の変化は少ないため、ある意味長く使えるストリングかもしれません。但しいくら切れにくいと評判のポリエステルとは言えノッチは出来ますので、ノッチが出来ることでのストリング断面積の変化→ストリングの伸び→テンションの変化=打球感の変化となり最終的には張替えの時期を迎えることでしょう。



プレー頻度やダブルスまたはシングルスによっても随分変ってきますが、ストリングの本当に美味しい期間はほんの数時間なのかもしれませんね。
ストリングの種類によって特性の違いを表現する方法として”軟らかい”とか”硬い”といった言葉を使います。これを力学的に考えた場合、同じテンションで引っ張った時のストリングの伸び量が異なるといった事象になります。



ここで硬いと言われるストリングをS1、一方軟らかいと言われるストリングをS2とします。同じテンションT0を得るのに初期からの伸び量はΔL1(始点)とΔL2(始点)とそれぞれ異なります。また定常状態であるT0からボールインパクトの時のT1におけるストリングの伸び量はΔL1
< ΔL2となることもこのグラフから自明です。軟らかいストリングほどボールインパクト時のストリング面のたわみが大きくなり、このときの感触を軟らかいと感じる理由でも有ります。

ストリングの硬さ・軟らかさを決める要素


ストリングの特性を決める要素として次が挙げられます。


  • ゲージ(太さ)

  • 構造(モノフィラメント、マルチフィラメント)

  • 素材(ナイロン、ポリエステル、ケブラー、天然素材)




最近注目を浴びているポリエステル系の材料を使ったストリングはナイロンを材料とするストリングと比較して同じテンションで引っ張った場合その伸びはたいへん小さいものです。一方細かなファイバーを多数寄り合わせた構造を持つマルチフィラメントでは公称のゲージ径よりも実際にテンションを保持する断面積が小さくなりゲージ径を細くしたことと等価だということがいえますゲージ系の差異は当然細いものほど同じテンションで引っ張った時の伸びが大きく、軟らかいストリングと言えます。

モノフィラメントは弾きがよいといわれる一方でマルチフィラメントはボールホールドが良いとも言われますがこれも上のグラフから分かるようにボールインパクト時のストリングの伸び量の差異に依存しています。伸び量の差異は時間軸で考えたときのボールとストリング面の接触時間の差異とも言えます。安価なモノフィラメントを使って、マルチフィラメントのようなボールのホールド性を出したい場合にはゲージ系を細くしたりテンションを落として張ったりすることである程度実現可能とも考えられます。厳密に言えばマルチフィラメントには複数のファイバーを寄り合わせたことによって、ボールインパクト時でのファイバー間の摩擦によるエネルギー消費が不要な振動低減するのに一役買っていますので、まったく同じフィーリングを求めても埋まらない溝は存在します。

ポリエステルガットはテンションが低下しやすいと考えられていますが、これは同じ距離だけストリングが緩んだときにテンションの変化率がポリエステルのほうが大きいのがその理由となります。

ストリングの選定においては、例えば耐久力を求めるために太いゲージのものや材質がポリエステルのものを選んだり、ボールのホールド感を重視するためにマルチファイバーを選ぶといったことが一般的な考え方だと思います。これまでの考察からゲージ径を変える事やテンションを変えることでそのボールフィーリングを大きく変える事が出来ることが分かりました。これによりガット選びの考え方の幅が広がったことでしょう。

メーカーが書いているガットの性能について、その表現を正しく理解することで、ベストなガット選びが可能となります。それからストリングの性能を決めるもう一つの重要な要素であるテンションについても、テンションについての正しい理解をしていれば自分に必要なテンションが高いのか低いのか良く分かってくることでしょう。



今回はガットを張るときのテンションとボールを打ったときに発生する反発力の関係について考察して行きたいと思います。まずはボールをはじき返す反発力の発生にメカニズムから。

図のようにボールのインパクト時にガットがたわんだ状態では、ガットそのものがΔLだけ伸ばされることになります。伸ばされたガットは当然元に戻ろうとしますので、下図の青色の矢印の向きの力が発生します。

ボールを弾き返す反発力はこの青い矢印の合力である赤い矢印で示される力だということが分かります。

異なるテンションで起こりえる事象


ここでボールインパクト時のたわみの最大量はボールの持つエネルギーとプレイヤーのラケットで打ち返そうとするエネルギーの総和とガットが伸びることで蓄積したエネルギーがつりあった状態と考えられます。(厳密に考えれば、スイングスピードや、ガット自体のたわみ速度、フレームのもつ剛性も関係してくるのですが、考察を簡単にするためにここではあえて無視します。)より大きなエネルギーを持つボールをストリングが受け止めると、たわみ量は大きくなり、同様にプレイヤーがより大きなエネルギーをボールに与えようとするとストリングのたわみ量は大きくなります。

ここでストリングの伸びとテンションの関係をグラフに表してみました。ここでテンションT0を得るにはストリングを初期の長さからL0だけ伸ばす必要があります。この時を例えばテンション50でストリングを張った状態だとします。ここからボールインパクトを迎えた時にストリングはたわみ、その時のストリング自身の伸びはL1-L0となります。テンションはT1となりこの合力の赤矢印成分が反発力となります。テンションを60で張った場合を想定すると、ボールインパクトの前の状態(定常状態)でテンションは50ポンドで張ったときの定常状態よりも当然高く、ボールインパクト時の一定たわみに対する合力もより大きくなります。同じエネルギーを持ったボールを同じようなエネルギーで打ち返す場合この二つのテンションの違いは、インパクト時のストリング面のたわみ量を変えることになります。テンションが高いほどストリング面がたわみにくくなるのです。一般に誤解されがちなこととして、テンションが低いほうがボールをより遠くに飛ばせると思われがちなのですが、この考察およびエネルギー保存則の観点から考えてボールの飛びに差異は無いことが推察されます。テンションの違いによって生じるのは差異はボールをストリング面で捕らえている時間のみです。(関連記事:ローテンションのガットほどボールは飛ぶというのはウソ? 

  • テンションを変える事はボールインパクト時のたわみ量(=インパクト時間)を変える事に等しい
  • テンションを変えたからといって、ボールのとびが著しく変化することは無い
次回はストリングの種類の差で特性がどう変化するか考察を行います。
緩みの少ないのは良い証拠?

ガット張りにおける良し悪しは何だと思いますか?「ガットが緩み難いと評判」をうたい文句としたテニスショップもあるように、張りあがり後のガットの緩みが少ないことでしょうか。それとも有名メーカーによる最新式の高価なマシンを使って張っていることでしょうか。指定したテンションに対して、自分が思っていた通りにもしくはそれ以上に硬く張ってくれることでしょうか。一般的にマシンの差や張り手の技術によって張り上がりが大きく異なると考えられていると思います、そこで今回は興味深い実験結果を紹介します。

2本のラケットの張り上がりから数日間の面圧の変化を測定しました。測定方法は本ブログオリジナルの評価方法であるACASSを用いました。評価対象はガット張りの経験が豊富でテニスジャーナル誌でも取り上げられることのある有名店による張り上がりのもの(Shop)、それに対抗するは経験もまだまだ駆け出しのストリンガーである私による張り上がりのもの(Shuzo)、この2つを比較しました。



このグラフから分かるように、ショップによる張りあがりも、私の手による張りあがりも、面圧の経時変化においては有意差が無いことが分かります。安価なマシンを使っても、緩みを最小限にするポイントを抑えながら丁寧に張ることでこのように有名ショップと比べても遜色の無い張り上がりが可能であることが実証されたのです。

補則ですが、使用したストリングマシンについて、私の使っているものはスピンジャパン製のDiana SPモデルで20万円以下で買えるマシンです。このマシンはNasdaq100 Open等のBicTourでも使用されていように、ATP,WTAツアーで使える信頼性の高いマシンとも言えます。その一方ショップで使われているストリングマシンについての詳細は分かりませんでしたが、マシンの価格で50万円以上するものを使うのが一般的なショップだとのことです。

プロストリンガーとは

ある程度の知識と丁寧な作業が出来ればガット張りはそんなに難しくないことが分かりましたが、本当の意味でのプロストリンガーとは一体なんでしょうか。私が考えるに、お客さんのプレースタイルを十分に理解し、それにマッチする最適なストリングを選定し、ストリングとフレームに対して最適な手順でストリングを張り、その結果トータルでお客さんが満足のいく張りあがりを提供することだと思います。そのためにはまずお客さんのプレースタイルを理解するコミュニケーション能力が非常に重要になってきます。お客さんの希望のガットを言うとおりのテンションで張るのではなく、お客さんの求めるガットを含めた道具としてのラケット性能への期待とお客さんの潜在的な運動能力を的確に判断する能力が必要だと考えられます。意欲的なショップでは自信のお店にヒッティングスペースを設け、そこでお客さんに実際のボールを打ってもらいながらコンサルタントを行うところがあります。またメンバー向けの練習会も開催し、実際にお客さんのプレーを見ることで、次のストリングへのフィードバックができるような努力も行っています。また別のストリンガーはラケットを見ただけでその人の得意のショットやプレースタイルが分かるとも言います。そうやって、お客さんのプレースタイルを理解してこそストリングの提案を含めたガット張りというサービスを提供できると考えるのです。ただ残念なことに多くのショップでは言われるままに、言われたとおりのテンションで、商品陳列の中から適当にお客さんが選んだガットを張っているに過ぎないのです。中には、店員へアドバイスを求める場合もあるでしょう。但し言葉でイメージするものが100%伝わっているとは限りません。ガットの張りあがりの性能を表す表現として、”弾きが良い””球持ちが良い””食いつき感がある””とびを抑える””スピンが掛かりやすい””球離れが良い””インパクト感が硬い(軟らかい)”等があると思います。これらの言葉を使ってお客さんと店員さんが会話をしたときに、張り上がりに対するイメージが正確に伝えることができればよいのですが、大抵は出来ていません。というのもこのことは定量的に測る事の出来ない事象を言葉で言い表すことそして理解することの難しさに起因しているのです。これに変わる方法としては前出のショップの例のように、実際に目の前で打ってもらってその感想を聞いたり、いくつかの異なるセッティングをしたラケットを使ってもらい好みを聞き出したりといったことを行うことで、イメージのギャップを最小にすることが可能だと考えます。実際にそこまで出来るショップは稀で、お客さんへのインタビューに頼るしかないのがほとんどです。とは言え、インタビュー如何によってはお客さんの好みやプレーの状況を的確に聞き出すことで、最適なストリングを提供できるショップも存在しています。これがこそがプロストリンガーに求められる能力の一つだと考えます。



あなたが普段お世話になっているストリンガーさんはどうでしょう?